リバースモーゲージの仕組み第2弾です。

民間・公的機関で取り組まれている、自宅を担保に借り入れができる「リバースモーゲージ」の解説第2弾です。
今回のテーマは、
・制度の普及経緯
・借りたお金の返済は?契約の満期がきたら、、
・借入可能額は?(融資枠は?)
・制度のリスク
についてです。

<制度の普及経緯>
日本で最初に導入されたのは、1981年東京都武蔵野市役所でした。(※初めは民間ではなく、公的機関でした。)
当初は、需要がほぼありませんでした。その要因としては「制度自体に問題(リスクが大きい)」や当時の、「日本人特有の家族に家を承継させたいという、不動産への強い思い入れ」でした。その後、信託銀行など民間企業も参入しましたが、本格的な普及には至らず、バブルの崩壊で地価が下落したため、活用が低迷しました。そして近年、高齢化社会到来と年金制度の崩壊で、再び脚光を浴びてきているという経緯があります。

<借りたお金の返済は?契約の満期がきたら、、>
契約満期時(契約期間20年等)または契約死亡時のどちらか早い時期に、一括返済しなければいけません。死亡の場合の返済義務は、保証人または契約者の相続人が承継します。現金で返済できない場合は、抵当権を行使して競売にかけて、返済に充当します。
満期または契約者死亡で現金返済できず、担保物件が競売されても回収金額が「借入額+累積利息」に満たない場合は、不足分の返済義務は、保証人及び契約者の相続人が承継します。

<借入可能額は?(融資枠は?)>
リバースモーゲージでは借主は返済を予定せず、最初から貸し倒れを予定したローンであるから、契約開始時の担保価値を超えた貸付をおこなうことはなく、通常は発生する利息の累積高と、将来の担保価値の下落の可能性を見越して、担保価値の30~70%程度が貸付限度額となっています。

<制度のリスク>
『契約の満期を超えて長生きする』
生活資金(融資)の受け取りが停止するだけでなく、今までの累積融資額を一括返済できなければ、家を失ってしまうという、二重のリスクがあります。最悪、家も失い借金だけが残るという状況になります。
『契約期間中に担保物件の評価が下落する』
定期的(1年など)に担保物件の市場評価額が見直されます。不動産市場の低迷時に、評価額が減額されると、新評価額と累積貸付残高に応じて受け取れる融資額の減少、最悪の場合、契約停止となることもあります。
『返済時に担保物件の売却価値が借入残高を下回る(担保割れ)』
家を手離し、なおかつ借金が残ることになります。貸付側はリバースモーゲージが不良債権化するのを、防がねばなりませんので、担保割れリスクは、借主側が負うことになります。